スマホの利用、コントロールできていますか?

こちらでは、学研の指導者による教育情報を発信しています。

もうすぐ子どもたちは冬休みですね。年末年始、皆様どのように過ごされるのでしょうか。家族全員で、ゆったり、まったりというご家庭もあるかもしれませんね。

年末年始などの長い休みにTVを見ていると気になるのがスマホゲームやWEBマンガ等のCM。ついつい面白そうだなとアプリをダウンロードしたくなるようなCMが流れていますね。スマホへの誘惑がさらに高まるこの時期、今回は、スマホの学力への影響について考えてみたいと思います。

「スマホの使用は学力に影響がありそう」
ざっくりとそんなイメージを持たれている保護者様も多いと思います。

実際に、スマホの利用時間と学力の間には相関があるということは2015年の文部科学省の「全国学力・学習状況調査」でも結果が出ています。その際の結果としては全科目で、ケータイ・スマホの利用時間が短い子どもほど正答率が高く、一番開きの大きい国語Bでは、4時間以上ケータイ・スマホを使っている子どもと30分未満の子どもで、正答率に18.3%もの差が出てしまっています。

続いて、スマホと学力の関係について最も有名な研究と言える、仙台市の例をご紹介します。

ニュースや本ですでにご覧になられたことがあるという方もいらっしゃるかもしれませんが、東北大学加齢医学研究所は2010年度より毎年、仙台市教育委員会と共同で全仙台市立小中学生約7万人を対象とした大規模調査(「学習意欲」の科学的研究に関するプロジェクト)を実施しており、このプロジェクトでは、標準学力検査で集めた学力指標と、同時実施したアンケートによる調査で収集した学習・生活習慣に関するデータによって、子どもたちの学習意欲や学力と関連する学習・生活習慣を科学的に明らかにすることを目指しています。

出典=『スマホはどこまで脳を壊すか』

縦軸は標準学力検査から算出した偏差値であり、平均点の子どもたちの値が50。横軸は平日における勉強以外の目的でのスマホ等の使用時間を表しています。

「1時間未満」「全く使わない」の群より、「1時間未満」の群の方が成績が良いという点には、スマホを持っていてもコントロールして使用できている自己管理力の高い子が優秀な成績を収めているのではないかという見解があり、「持っていない」の群に関しては、経済的に困難な理由から持っていない可能性があるのではないかと考えられています(悲しいですが、家庭の経済格差と子どもたちの学力の格差には、相関関係があることが明らかになっています)

グラフでは、「1~2時間」「2~3時間」と使用時間が長くなるにつれ、成績が顕著に低下しています。ここで注意したいのは「スマホの使用時間が長くなることで、学習時間や睡眠時間が短くなるから成績が下がるのでは?」と安易に考えてはいけないということです。

もちろん、睡眠時間が短くなることで、脳への記憶の定着が悪くなる、授業の理解度が下がるなどでの学力低下も多少あるとしても、一定時間スマホを使用し続けると、どんなに家庭学習の時間や睡眠時間をを確保しても学力は下がると、上記プロジェクトの委員を務めた川島隆太氏(東北大学加齢医学研究所 所長)は論じています。

川島氏の著書「スマホが学力を破壊する」の要約には「スマホを4時間以上使用すると、2時間分の学習効果が消える」とあります。ここまでを読んで、子どもさんにルール決めをせずにスマホを使用することの影響の大きさを分かっていただけたでしょうか?塾に通わせて2時間勉強した日の学習効果を、スマホで帳消しにしているご家庭はありませんか?

実際に、私の知る限り、成績上位のご家庭では、持たせる段階からスマホやゲームにきちんとルールを定めて、使用時間を短くコントロールしている所が多いです。または、保護者さんから細かくルール決めをされなくても、部活や習い事と勉強の両立に忙しく、ほとんどスマホやゲームをする暇はなく使用時間が短いというパターンです。

「みんなスマホを持っているから、持たせないとかわいそう」
「友達どうしのコミュニケーションツールとして、スマホやSNSがないとおいていかれるかも」
そんな話を耳にすることもありますが、実際の研究結果から、スマホやSNSがあってもなくても子どものコミュニケーションの円滑さには変化は特にないという研究結果も出ています。

いかに勉強させるかばかりではなく、勉強したことを無駄にしないようにスマホやゲームの使用についても考えるという機会を、ぜひご家庭で持っていただけたらと思います。

学研の指導者は、日々、子どもたちの様子を観察しています。明らかにゲーム依存やスマホ依存の傾向がみられる子は、教室に入ってきた瞬間に分かります。

実際に、私自身、生徒がスマホゲームの依存に陥っていた際に、どのような影響があるのだろうかと思い、人気のスマホゲームをダウンロードして実験をしてみたことがありました。その結果、「ここまでクリアしてから!」とやるべきことを先延ばしにし、時計を見ると、あっという間に時間が過ぎており後悔の嵐。夜は遅くまでのゲームプレイで睡眠時間は減少。さらには、仕事中にも頭の中でゲームの音楽が鳴り響き、クリアできないステージのことが気になって集中できないという状況になり、「ゲームはやっていない時間にまで影響を及ぼし、生活全般を破壊する」という恐ろしさを体感しました。大人でもゲーム依存になるのはこんなに簡単なのですから、自制心が弱い子どもがゲーム依存になるのは本当に簡単なことだと実感しました。

学研教室の指導者は教室で過ごす以外の時間が、学力の醸成の土台であると認識し、日々指導をしています。一人一人の生活の仕方やご家庭の状況も面談などでお聞きし、ご家庭での過ごし方や、時には家庭学習の計画の作成もご提案します。

ご家庭での過ごし方や時間の使い方に気になることがあれば、学研教室の先生に相談してみませんか。

学研教室は、認知能力+非認知能力も育む教室です。

(The Specialists編集部)

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